今日から養壺!
ある収集家のところから好日居にやって来た茶壺(チャフウ)。
肌がとても若々しく、素っピンでキレイでしょう?
中国茶には「養壺」(ヤンフウ)という言葉があります。
それは、お茶が美味しく淹れられる様に器を育てるコト。
つまり、茶壺に年月をかけ、しっかりお茶を飲ませて(=お茶を淹れ)
うつわの肌に茶味を浸みこませるコト。
新品の茶壺には味が浸みていないので
どんなに美味しいお茶を淹れたとしても
茶壺の肌(陶器)が茶味を吸ってしまい
茶の香や味を充分にひき出す事が難しかったりします。
また、逆説的ですが、
茶壺がお茶の雑味を吸ってくれて、
茶味がまろやかになる…という効果もあります。
美味しいお茶の淹れ方は、
そのバランスの妙という事になるでしょうか。
出来る事なら…ですが、
烏龍茶なら烏龍茶用、普洱茶なら普洱用、
と其々の茶壺を決めておいた方が理想ではある様です。
まるでうつわは生き物の様でしょう!?
しっかりと美味しい仕事をしてもらうためにも
持主は茶壺に相当お茶を飲んでもらわねばなりません。
みなさまも、そんなコトを頭の片隅において
大切にうつわを手にしてみて下さい。
きっといい仕事してくれるかも…
「養壺」/うつわを育てる…
何てステキな文化でしょう!
ぜひ、ぜひ学びたいものです。
金継 with glass
昨日は 好日居繕いの会/金継会 の日。
ガラスに金継をほどこしたものがやっと完成!
(先月の金蒔き後、乾燥。昨日、仕上の漆をほどこしました。
再び漆の乾燥を待ち、使い始めはやっと秋頃から。)
嬉しくって、ちょっとお披露目。
ちょっぴり自慢(?)
(自慢は金継の腕前ではなく、
手をかけた親ばか的愛おしさのコト…)
ひとつは、チャイグラス、
そしてひとつは好日居で使っている大切なお水のグラス、
何を入れても美味しくなる魔法のグラス(by 小谷真三さん)です。
大切なグラスを改めて手にとってみて、
以前、小谷真三さんに言われた言葉を思い出す。
「3年いや10年いや、30年はがんばらにゃいけん」
好日居もやっと3年。
イロイロ多々あるけど
落ちこんでいる場合じゃなさそうです…
次に目指すのは10年か…
自分の足で歩いてみえた先人の言葉はきっと正しい。
次の目標は開店10年後、2018年!
そしてもう一つ、小谷さんからいただいた言葉は、
「ダイヤモンドになる場所」。
好日居がそんな場所に少しでも近付ける様、
日々を積み重ねる!…と改めて心する。
≪金継≫の事を書こうと思ったけれど、すっかり脱線。
このグラスには教えられる事が多い。
私にとっては
「何を入れても美味しくなる」
だけでなく
「ダイヤモンドであれ!」
と時には厳しく見守ってくれている
魔法のコップだからだ。
・・・
ふと、
…日常のうつわを自ら手をかけて直す…
という事は
うつわにまつわる想いや思い出も含めて
再び未来に継がれていく…ということなのだ。
…それが私達の金継会の在り方だったな…
とまた改めて≪金継≫の話題に戻って脱線修正。
一件落着也。
Lucie Rie 展@東洋陶磁美術館
ルーシー・リー展に行かれた方から
展覧会を見て心に残った事を昨年、メールでいただいていた。
「ルーシー・リーが製作活動にいきづまっていた時期に出会った
助手のハンス・コパーという青年と製作に打ち込むことで、
また自信を取り戻した、というような説明があり、
そのハンス・コパーからルーシー・リーへの
お誕生日メッセージの手紙が展示されていました。
『今日、憂鬱な気持ちでこのイスに座ってあなたのことを考えていたら、
どんどんポジティブなきもちになりました。
この考えにリボンをかけて
あなたにおくれるといいのに・・・』
というような内容で
最後に
『Thank you for being, for being you』
とあり、
あなたでいてくれてありがとう
と訳してありました。」 と…
そんなちょっとした感動を伝えたくなるようなルーシー・リー展、
やっと私も楽しみに行ってきました。
今回の展覧会では、ルーシーの素晴らしい作品だけではなく
彼女の人となりにも迫った作品展で
ステキな生き方のお手本を間近で見せていただけた気がします。
きっと多くの方が
あんな風に年を取りたい
とも思われたのではないでしょうか?
笑顔の素敵なかわいらしいルーシー。
フォルム、質感、細部まで美しい作品には哲学があり
彼女の清楚で凛とした空気が伝わってきます。
先日好日居で、ルーシー・リーのうつわの撮影のため
珈琲とお茶を淹れさせていただいたのですが
両手でうつわを持った感じ、口あたり、そして飲んだとき、
彼女のここちよいオーラがうつわから感じられました。
彼女が亡くなってもファンがこんなにたくさんいて
作品もイキイキしている。
展覧会場で流れていた英国のTV番組のビデオでは
「ルーシー・リーのうつわは安くはありません。
しかし財産を投げ打つ必要はないのです。」
とBBCのアナウンサーが言っていた言葉が印象的でした(フム…)。
宝くじが当った折には…ぜひ
大阪市立東洋陶磁美術館「ルーシー・リー展」は 2月13日まで。
Thank you for being, for being you.
Lucieへ … 私からも。
Lucie Rie Time
Lucie Rie C/S で Coffee Time。
美術館で見る彼女のうつわの
その姿は背筋がしゃんとしていて美しく上品
見るモノをトリコにしてしまいます。
シンプルな造形ながら他の追随を許さない。
はじめて手にとって、
珈琲を入れてみて、
飲んでみて、
そのモノの持つ空気感がありました。
やっぱり、ルーシーだ…
形の美しさ、エッジの切れの良さ、たたずまい。
ぜい肉の無いそのうつわ、は
形、色、質感、大きさ、重さ、すべてにおいて
ルーシー・リーの魅力、
ひととき、Lucie Rie の世界に遊ばせてもらいました。
やっと彼女に会えた…そんな気もち。
関西のLucie Rie展は大阪市立東洋陶磁美術館で2010年12月11日から。
冬になったらまた逢いに行こう。
ウズベクボウル
昨日届いた本の表紙に…
好日居の看板娘(?)ウズベキスタンのボウルさんが
…載っているではありませんか…
なんだか嬉しくなりました。 (親ばか気分)
遅い夏休みをとってウズベキスタンに向かった2002年9月
教会の土産物屋の片隅に見つけて買った空色ボウル
ウズベクの青い青い空の代わりに連れ帰った。
お茶を飲むとイスラミック世界あらわる
見て楽しく飲んで見て二度楽しい
大好きなうつわだ。
トクサ、木賊、砥草…砥ぐ草故。
金継ぎの作業工程の中で、余分な漆を「砥ぐ」のに
好日居繕いの会では「紙やすり」を使っています。が…
いただいた乾燥「トクサ」の砥ぎ心地の良いコト!早いコト!
「紙やすり」は硬度が高く、漆も砥ぐけど器にも傷がつきます。
しかし、
乾燥「トクサ」は硬さの頃合い良いらしく、
器には傷をつけず、漆は砥いでくれるらしい。
(もちろん、キメの細かさ等はTPO使い分けでしょうけれど…)
発見した昔の人は偉い!早速好日居でも「トクサ」の採用計画中。
ちなみに、「トクサ」はトクサ科/トクサ属、和名:木賊/砥草 (ご近所の「トクサ」の写真です。庭園の片隅で見かけたりしますね…)
トクサの名前の由来/
トクサの茎は、表面に珪酸(けいさん)を含んでいる為、ざらつきがあり、
非常に堅くなっていて、細工物などを、砥(と)ぐ草という意味から、
研ぐ草(とぐくさ)が転訛して、トクサの名前がついた
とされているそうです。
砥ぐ草…で「トクサ」…ごモットモ。
古人のうつわの「繕い」は
身近な材料で根気の作業であるコトが
知れば知るほど面白く。
漆掻(か)き(漆の樹液を採る)は大変そうだけど…
(人によってはかぶれますからね…)
うつわの繕いでうつわをひっつける
「糊漆」 はご飯粒+漆
「麦漆」 は小麦粉+漆
砥ぐのは「トクサ」
…
ボンド世代ですが、昔の素材には感心させられてばかり!
好日居繕いの会は昔流にステップアップ中です!?
雑器市 古器展示即売/2010.5.3.mon.-4.tue.
ゴールデンウィークの5月3日(月・祝)、4日(火・祝)、好日居にて雑器市が立ちます
古きうつわの展示即売会
陶磁器、漆器、ガラス器…どんなうつわが集まってくるのでしょ
個人的には
茶の水色映える、
菓子が美味しそうな、
花の美しく見える…
小皿、豆皿、花器も密かに楽しみです(欲張り!)
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雑器市 古器展示即売
時:2010年5月3日(月・祝)、4日(火・祝) 午前10時~午後6時
於:好日居 京都市左京区岡崎円勝寺町91 TEL:075-761-5511
しかまファインアーツ 京都市中京区姉小路通富小路東入 TEL:075-231-4328
古美術 三彩 東京都渋谷区宇田川37-13 TEL:03-5790-3310
古美術 佃 京都市中京区寺町竹屋町東入 TEL:075-231-3812
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