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八畳の大岩を繕う

今朝、少し早めに好日居の準備を整え
南禅寺界隈にある「野村碧雲荘」の見学へ行ってきました。

「野村碧雲荘」は、野村財閥の創業者、野村徳七が
大正6年(当時39歳)から11ヶ年を費やし完成させた邸宅。

学生時代、幸運にも野村碧雲荘の建築調査する機会にめぐまれ
だれも居ない邸宅内を堪能した事があるが、
通常公開しているわけでもなく、
実は久しぶりの再訪である。

(撮影禁止にて、本の写真を写しています。)

0001
庭園の中央には大きな池。
南禅寺山を借景に、均斉のとれた素晴らしいスケール感、
ひとつの宇宙です。

茶人でもある野村徳七は邸内にいくつも茶室を作っています。
上の写真の右の方に写っている舟形のフローティング茶室はこちら。

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茶室 蘆葉舟(ろようしゅう)
舳先の向うに南禅寺山が望めそうです。

0003

邸宅ながら能舞台もあります。
松竹梅が配された珍しい舞台です。

本日の案内説明の中でとても驚いた話をひとつ。

野村碧雲荘にある大岩。
その岩の1/3は地上、2/3が地下に埋められているそうで、
その底面はなんと8畳大の広さがあるのだとか…
保津川でその岩を気に入った野村徳七は
その岩を運ぶよう、庭師・小川治兵衛に注文したらしいのです。
「それは無理です」という小川治兵衛に対し、
野村徳七は金継で繕われた器を見せ、
「割れた器は金継することで再び器の形をしている」…と…
そして、その大岩は36ピース程に分けられ、
野村碧雲荘の庭園にて繕われた
…のだとか…
うつわの金継に例えて、岩を運ばせるとは…
仕事のできる人は思考のスケール感も魅力です。

それにしても、
南禅寺界隈の邸宅はいずこも卓越したセンス!
往時の普請趣味の美学・哲学のレベルの高さ!!
野村碧雲荘はまた格別な気がします。
すばらしい翁達が南禅寺界隈を
お茶を通して、どんなにステキに楽しんでいたコトか…
想いを馳せては、
うらやまし過ぎてため息が出てしまうほど。

いいモノはいい。
建築や芸術、音楽だって、
時を経ても色褪せることなく
(モノによってはマスマスと)
いいモノはいい。
のです。

翁とつく様な方々には及ばずとも
好日居らしいお茶の楽しみが続けていけますように…
そんな想いで庭内を巡って参りました。

4年程前、南禅寺界隈の「何有荘(かいうそう)」にて
お茶会「なにもしない一日」をさせていただいた事を
ふと思い出しながら…
いつか、こんな場所に
また出張できたらいいな…
なんて…

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好日居繕いの会」カテゴリの記事

コメント

とても、おもしろいお話ですね。晴ちゃんのコツコツ続けている金継ぎがそのようなところでも生かされていたのですね。
でも、金継ぎの器と大きな岩のサイズの違いに、全く発想できませんでした。さすが…
私は、ミニが好きですが、逆に大きなものを見ると自分が小さなサイズになった感じがして、それもこそばゆい感じになり好きです。
野村のお庭は、見たことがありませんが、美意識だけでなく、哲学的なものまで素敵なお庭なのでしょう。そのような庭を眺めていたら、どんな感じがするのでしょう…

投稿: のびちゃん | 2012年2月25日 (土) 09時41分

のびちゃんへ

そうそう、出来る人は発想がいい。

お庭や建物も、建築家や大工さん以上に
主人の哲学と美意識がトータルで
すばらしい宇宙になるんだなぁ…
と改めて感じたね。

何棟も建物があるけれど
その使い方だって、だれのために、だれがどのように
そして心地よく楽しく使うのか
が、かなり明瞭でした。
そしてその何棟もの建物が
いいハーモニーで点在しているんだよね。

大きいモノの傍に居ると
コビトになれるね。(笑)
のびちゃんらしい。

機会があれば南禅寺散策しましょう。

投稿: 好日居 | 2012年2月25日 (土) 11時14分

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